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なぜふぐ鍋を『てっちり』ふぐの刺身を『さっさ』と呼ぶのか?

てっちりてっさ

冬の味覚の王様として知られる河豚(ふぐ)。あの淡白な味が何ともいえなく、ふぐ好きの人も多いのではないでしょうか。

ところでなぜふぐ鍋を『てっちり』と呼び、ふぐの刺身を『さっさ』と呼ぶのかご存知ですか?これには実に現実的な意味があります。

 

まず、てっちり、てっさの『てつ』は鉄砲のことで、つまり ふぐの毒に当たると死ぬ という意味。シャレになりませんが、古来よりふぐを食して命を落としてきた人が多かったことがわかりますよね。

歴史を見てみると、昔からはふぐに毒が含まれていることが分かっていましたが、安全な調理法を解明することができずにふぐで命を落とす人があまりにも多かったのか、ふぐを食べることを禁止していた時期もありました。

有名なのが戦国時代。

豊臣秀吉が全国ふぐ禁止令というものを出し、ふぐ食が禁止されましたが、この禁止令は明治時代、初代内閣総理大臣・伊藤博文によって解かれるまで、実に300年間も続いたそうです。

 

またふぐは全身が毒というわけではなく、ふぐの卵巣と肝に毒があり、調理する時に毒が流れてしまい中毒を起こします。

なのでふぐを調理する人は【ふぐ処理師免許証】というものが必要です。またふぐには種類がたくさんありますうが、厚生労働省により食べても良いとされているもの22種類あり北緯25度以北で獲れたものという漁に関する規定もあるそうです。

 

余談ですが、ふぐを漢字で書くと河の豚と書いて【河豚】になります。これは中国から伝わった当て字なんです。

【豚】という字には尻とか太っているという意味もあり、揚子江の汽水域(海の水と淡水が混ざり合うところ)には【めふぐ】というフグがいて、形が丸いことから河にいる豚ということで【河豚】となったという説。

またふぐは怒ったり身の危険を感じるとプク~っと膨れ上がることから、これが太っている様にも見え、河豚と呼ばれるようになったという説もあります。

 

ともあれ、正しい免許を持った人が正しく調理したふぐは安全です。旬の時期に美味しいふぐを楽しみたいですね。

 

ふぐ