卵は安価で栄養価も高い食材として知れ渡っていますが、卵について間違った知識も多く広まっています。
コレステロ-ルや保存方法、賞味期限に匂いなどなど。
そこで卵にまつわるお話をまとめてみました。
あなたが知っている卵の知識は正解なのか?それとも…
管理栄養士の大柳珠美さんによると、数日なら賞味期限を過ぎた卵でも加熱調理であれば大丈夫とのこと。
賞味期限を過ぎたら生食や半熟は避けて、十分に火を通して食べる様にということです。
これはコレステロールを多く摂取することにつながることから来ている誤解。
管理栄養士・大柳珠美さんによると、コレステロールの大部分は体内(主に肝臓)で作られているため食事からの影響は少ないとのこと。
なんとコレステロールは、食べ物からしか摂取できないワケではないのですね。
たしかにどんな食材でも食べ過ぎには注意した方がよいと思いますが、健康な人であれば、一日の卵1~2個レベルはあまり気にしなくて大丈夫みたいです。
また日本人の場合、食べ物からコレステロールを摂取して、それが原因で病気になる人は、ほとんどいないそうです。
農産物流通コンサルタントであり食生活ジャーナリストでもある株式会社グットテーブルズ 代表取締役社長の山本謙治さんによれば、
卵の殻は呼吸しており、周りにある匂いを吸収してしまうそうです。
これを証明する様にフランス料理にトリュフ卵というものがありますが、これはトリュフ(世界三大珍味の1つ。子嚢菌(しのうきん)類セイヨウショウロ目の地下きのこ)と卵を一緒に保存して、香りを移したものです。
なので卵を保存する時は、匂いが強いものと一緒に保存しない方が良いですね。
卵の黄身の色は餌の色素によって変化し、栄養価で色が変わったり、鶏の種類によって違いがあるワケではありません。
例えば餌にパプリカの粉末を混ぜたものを与えれば、濃いオレンジの黄身になりますし、米を混ぜたものを与えれば全体的に白っぽい黄身になるそうですが、これと栄養価は関係ないのです。
また赤卵といった卵の殻の色の違いも直接栄養価と関係があるものではなく、鶏の品種の違いによるものだそうです。
質問その3の山本謙治さんによれば、品種や飼育法、そして餌などで卵の風味も変化するとのことなので、いろんな卵を食べ比べてみるのも良いですね。
このことについて、【『知らない』では済まされない!食べ合わせの天国と地獄】(植田美津江監修:株式会社アントレックス)に興味深い事が書かれています。
納豆と卵の食べ合わせで気を付けたいポイントは、卵白に含まれるアビジンが納豆に含まれるビオチンというビタミンの吸収をジャマしてしまうということ。
ビオチンはアレルギー反応が起こった時に放出されるヒスタミンを体外に排出して、アトピー性皮膚炎などを改善する効果が期待できると考えられています。
また皮膚の健康に深く関わるビタミンで、ビオチンが不足すると脱毛や皮膚炎、結膜炎などの症状が現れやすい傾向があると指摘もあります。
なので卵と納豆を混ぜる時には、卵白だけを取り除いて、卵黄のみを混ぜる様にしたいですね。
これはオムレツ、卵焼き、スクランブルエッグといった半熟系の料理に使えるワザ。
これらの料理を作る時にひとつまみの砂糖を加えると、見た目がふんわりとした弾力がある仕上がりになります。
でもなぜ砂糖を加えるだけでふんわりするのでしょうか?
これについて、【知っているだけで一生使える『食べ物』の裏ネタ帖】(話題の達人倶楽部:青春出版社)が詳しく解説しています。
卵料理は熱で固まる性質を利用して作られます。
砂糖を加える事によって、卵のタンパク質の分子が砂糖に結びつくために固まるスピ-ドが遅くなり、結果、ふんわりした仕上がりになるそうです。
ちなみに塩だと逆の作用があり、タンパク質が固まるのを早めてしまうのだとか。
なので塩を入れた卵料理は、身がしまった食感になります。
確かに卵豆腐や茶わん蒸しには塩を入れますね。
いろんな卵にまつわるお話、いかがでしょうか?
私の感想は、実はこの記事を書くまで全く逆のことを信じており、いろんな著名人の方や本によって学ぶ事が多かったです。
そして卵の王道の食べ方は、新鮮なうちに食べるという事でもありますね。
いろんな料理にアレンジできる卵なだけに、正しい知識で美味しく頂きましょう!