日本の正月といえば鏡餅ですね。
でもなぜ飾るのか?そしていつまで飾るのかということは、あまり知られていないようです。
まず餅は、古来から神様に捧げる神聖な食べものとして位置付けされてきた食べ物で、祝いごとや祭りの日には欠かせないもののひとつでした。
また餅は保存が効く食べ物ということで、現代みたいに保存料や冷蔵庫が無かった時代には保存食としても重宝されてきた食べ物です。
愛知戦国史跡ナビゲーター・みかわのひでさんのブログによると、戦国時代にも出陣する時に兵糧(米)ではなく、餅を持っていき、戦場で焼いて食べるという事が行われていたそうです。
確かに米なら炊飯しなくてはいけませんが、餅なら水はいらず、焼いてすぐに食べる事ができますからね。
また餅は米に比べて排泄が遠くなるという作用があるとか。
戦場で常に緊張感に包まれている武者にとっては、トイレが近くては戦になりませんね。
【餅をついてはイケナイ日がある】
さて、昔はほとんどの家で正月用の餅つきをしましたが、餅はいつでもつけるというものではなく、餅をついてはイケナイ日というのがありました。
12月31につく餅を『一夜餅』、また29日につく餅を『苦餅』、または『憎まれ餅:(にくまれもち)』といって嫌いました。
正月に神様に供える餅ですから、縁起も担いだのですね。
そして正月に年神様に供える餅が鏡餅。
鏡餅はいつまでも飾っておくというものではなく、1月11日に鏡開きという行事が行われ、飾られていた餅はぜんざい、焼餅として食べられるのが一般的です。
【なぜ正月に餅を飾るようになったのか?なぜ丸いのか?】
ところでこの鏡餅はどうしてお正月に飾るのでしょうか?
古来より鏡餅は神仏に捧げる神聖な食べ物、特別な食べ物そして、神様と人間をつなぐものと考えられてきました。
また形も餅をふたつ重ねたものが一般的ですが、三つ重ねたものやあるいは紅白と色違いで重ねたものもあります。
そして地方によっては砂糖で固めて象ってあるものなど特色があるようです。
また鏡餅の形がなぜ丸なのか?
丸い餅は昔の鏡に似ているところから『鏡餅』と名づけられたという説があります。鏡というのは『三種の神器』の一つにもある『八咫鏡(やたのかがみ)』でも有名で、天皇家が代々、受け継いできている三種の神器のひとつでもにもあるように、古来、日本人にとっては宝物の象徴の形でもあり、また鏡には神様が宿るという言い伝えがある事から鏡の形を象ったお飾りを作り、一年の始めを神様と共にお祝いするという行事になったようです。
【鏡餅はいつからいつまで飾るの?】
鏡餅を飾る期間についてですが、飾り始めるのは正月前、できれば12月28日が良いとされています。理由は【8】が末広がりということで、縁起が良いんですね。
また飾るのは一般的には1月11日の鏡開きまでです。しかし京都と周辺では1月4日までしか飾らないというところがあり、理由ははっきり分かっていません。
今までなにげに食べてきた餅にも形の由来、意味があったんですね。