戦国時代、最強ともいわれた武田信玄。
織田信長も彼を恐れ、後に江戸幕府を開く徳川家康も勝てなかった人物です。
そんな武田信玄が好んで食べたといわれるのが、現在、山梨県の郷土食ともいえるほうとうなんです。
名古屋名物のきしめんをもっと太くした様な麺を、いろんな具材と共に鍋で煮込んで食べる料理です。
でもなぜ信玄とほうとうなのでしょうか?
簡単に調理できた
信玄率いる武田軍は、戦国時代にいろんなところへ出陣して領土を広げています。
そこで気になるのが食料。
かつて山梨県は甲斐の国(かいのくに)と呼ばれ、山間部にあった国なので、あまり米が採れませんでした。
そこで小麦を使ったほうとうが重要視されたという説があります。
ほうとうの歴史を見てみると、その起源みたいなものは鎌倉時代からあり、信玄が広めたといわれています。
ほうとうは乾麺で持ち運びが便利なうえ、米よりも早く調理ができ、食べる事ができます。
鍋とほうとう、水と味噌があれば必要最小限で、あとは出陣先で野草や肉を入れたりすればかなりボリュ-ムが出ますよね。
またほうとうに入れる味噌は煮込むと熱を持ちやすく、冬でも食べた後は汗をかきます。
寒い中、戦わなければならなかった兵士たちの防寒対策というのもあったのでしょう。
今では山梨県の名物に!
山梨県の郷土食ともいえるほうとうは、キホン、各家庭で作られます。
しかしほうとうを専門に扱っている飲食店もあり、有名なのがカボチャのほうとうです。
山梨の田舎の方では、物事が自分の思う様に進むと、
『うまいもんだよ、カボチャのほうとう』という言葉を使います。
この言葉は、
上手い(上手くいく)= 美味い
という語路合わせみたいなものですが、この言葉が表す様に、カボチャは、ほうとうの具材の中でも人気なんです。
そして美味しい!
またかぼちゃは栄養成分を豊富に含む緑黄色野菜で、豊富なβ-カロチン(ビタミンA)をはじめ、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、鉄などをバランスよく含んでいます。
β-カロチンには、免疫力を高める効果、体を酸化から守る坑酸化作用、そして抗がん作用も高まる効果があることが確認されています。
そしてなによりほのかに甘くて鍋料理にも合いますね。
武田信玄がほうとうを好んで食べていたから強かったというのは言い過ぎかもしれませんが、手軽に調理でき、持ち運びにも便利。
さらに保温効果もあり栄養もある。
この優れた料理は、優れた戦国武将・武田信玄とも重なります。
山梨県を訪れてた時には是非、食べてみたい名物ですね。