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秋なすは嫁に食わすなに込められた意味

なす

夏野菜として知られているなすですが、秋になっても美味しい野菜のひとつです。秋なすは実がギュッとしまっていて、種やえぐ味も少なく、また肉厚でおいしいものが多く出回ります。

ところで『秋なすは嫁に食わすな』という言葉があるのをご存知ですか?

これは秋のなすは非常に美味しいので、嫁に食べさせるにはモッタイナイという姑の意地悪さからきた意味で使われているといいますが…

しかし歴史を調べてみると、この言葉の元は鎌倉時代に編纂された歌集・『夫木集』の中の「秋なすび 早酒の粕につきまぜて 棚におくとも 嫁に食わすな」という歌に基づいているんです。

歌の中の嫁とは“嫁が君”のことをいい、ねずみの意味です。

つまり、調味料も現代みたいに豊富でなかった当時、酒粕で漬けた極上の秋ナスを棚の上に置いているときに、ねずみに食べられないように注意しなさいよという意味なのですが、本来ねずみを意味する嫁が嫁姑の嫁に転じでしまって、嫁イビリみたいに思われてしまう意味になってしまったようです。

 

しかしこれとは別にもうひとつ意味があります。

それは、体を冷やさないため。

なすは、のぼせを改善したり熱を下げる効果があるといわれていますが、逆に食べ過ぎると体温を下げてしまい下痢や腹痛の原因にもなります。

なので昔から大事な嫁が体を冷やすと妊娠しにくくなる、もしくは妊娠中でも流産しやすくなると考えられたため、(大事な)嫁に喰わすなという意味があるとか。

また秋なすは種が少ないために子宝に恵まれなくなるという考えから生まれたという説もあります。

 

嫁いびりの意味でも使われたり、また逆の嫁を労わる意味でも使われる秋なすですが、旬のものは栄養も豊富で、値段もリーズナブルに市場に出回りますので、旬の味覚を美味しく食べたいですね。

なす