輸入してまでも食べ残す日本の食事情

たべのこし

日本は外国より多くの食材を輸入していますが、食べ残しによるロスが最近社会問題になっています。

まだ食べられるのに廃棄、つまり捨てられている食品が日本にどのくらいあるのかを知っていますか?

農林水産省の平成22年度推計では、日本国内で年間約500万~800万トンの食べ物が捨てられているという事なのです。

ちなみにこれは、世界全体の食料援助量の約2倍にあたる量で、日本の一年間の米の収穫量とほぼ同じという数字が出ています。

スゴイ量ですよね。

そんな状況を改善するために、農林水産省、消費者庁、内閣府、文部科学省など、関係6府省庁が連携をとって、『食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSS プロジェクト)』という取り組みを始めました。

これはいったい、どのような取り組みかというと、消費者庁・消費者政策課の長岡紘史氏によると、実は食品ロスの約半分は家庭から出ており、事業者はもちろん、消費段階で家庭の食品ロスを最小限に抑えるというもの。

なんと日本の食材ロスは家庭から出ていたのですね。

さらにデータを取ると、特に食べ残しが多いのが日常ではなく、忘年会や新年会といった宴会の席とのこと。

そこで長野県松本市では、ある取り組みが行われています。

宴会の最初30分、最後10分は席について料理を味わいましょうと書かれたコースターを市内の各飲食店に配って、できるだけ残飯を減らす取り組みをすでに開始しはじめました。

 

また消費段階での食べ残しをできるだけ減少しようと多くの自治体、そしてNPO法人などが新しい取り組みを始めています。

主に自治体の取り組みは、食材の廃棄量をなるべく少なくするレシピ作成や食育の指導などを行い、また、NPO法人などは賞味期限が間近となった食品、または食品衛生上問題が無い規格外品、いわゆる『訳あり食材』などを社会福祉団体等に提供する【フードバンク活動】というのを行っています。

また個人には、食べ残した料理を持ち帰るドギーバッグ普及活動などを推奨しています。

 

そして食を作る事業者側でも、食品ロス、食べ残し対策についての取り組みは進んでおり、そのなかでも特に最近話題になったのが、3分の1ルールの見直しというものです。

この3分の1ルールとは、例えば賞味期限が6カ月だとしたら、これをまず3等分します。

次にメーカーが卸業者や小売店に納品できるのは製造日から2カ月までの製品。

その後、お店の店頭で販売できるのは製造から4カ月までの製品とします。

それを過ぎると、賞味期限までまだ2カ月も残っていても、容赦なく店頭から撤去、もしくは廃棄処分となるル-ルです。

これは日本独自のものであり、例えばアメリカでは、2分の1、イギリスの場合だと英国では4分の3が一般的といわれています。

異本の場合、諸外国に比べて非常に短い期間で店頭商品が廃棄されていることになりますが、これは日本の消費者が諸外国に比べて鮮度にこだわるので起きている現象だとか。

しかし最近ではこの3分の1ル-ルは変化が見られており、 小売り大手(たとえばイオンなど)でも、この期間を見直して改善しようという取り組みが少しずつ広がりつつあり、実証実験もすでに始まっているそうです。

そいういえば、私の家の近所のス-パ-も賞味期限間近ということで、定価の半額で商品を売っていたりします。

買ったその日に食べれば賞味期限内なので、品質には問題ないですよね。

 

さらにEU(ヨ-ロッパ連合)では、2014年をヨーロッパ反食品廃棄物年として、廃棄、ロスをできるだけ避けるための期限表示と包装の適正化、またフードバンク活動の優遇の啓発を行うとしています。

また、到底食べ切れないほどの料理で客をもてなすことで有名の中国でも、料理をできるだけ残さない光盤運動といわれるものが広がっています。

私の感想は、特に日本は食料自給率が低く、食べ物を輸入に頼っている国だけに食べ残しに関しては、今一度、考えてみる必要がありそうですよね。

 

 

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